医師による「そけいヘルニア」情報サイト

ヘルニアセンター
このサイトで取り上げるヘルニアについて 日記/コラム
ヘルニアと聞けば椎間板ヘルニアを連想する方も多いでしょうが、ここでは腹部にできるヘルニア、特に成人のそけいヘルニア(脱腸)を中心に、情報提供します。

プライバシーポリシー

プロフィール
署康弘写真
上都賀総合病院外科 病院長
 
専門医、医学博士、所属学会等〜
日本外科学会 指導医、専門医
日本消化器外科学会 専門医、指導医
日本消化器病学会 専門医、指導医
医学博士 ほか
 
医師としての想い
 
最近の日記/コラム
 

 

きょうの健康に記事掲載 2015.10.14
  平成27年11月号のNHKテレビテキストきょうの健康に私の執筆した記事が掲載されました。なんでも相談の121ページです。前回の掲載は2009年でしたから実に6年ぶりです。顔写真が載っていますが2007年に番組出演した時に撮影したもので8年前ですので実物よりかなり若いです。本人を見て驚かれないか心配です。  

妊娠中の鼠径ヘルニアについて 2013.09.26
  妊娠中の鼠径ヘルニアについての論文がHerniaという世界的な専門誌に発表されました。要旨をご紹介します。オーストリアの1つの専門病院からの前向き臨床研究の結果です。約4年の研究期間に妊娠してから分娩までに緩徐に鼠径部の膨らみや痛み、違和感などの症状でこの病院を受診した18人の妊婦の分析です。結論から言うと18人全員鼠径部の円靭帯静脈瘤でした。分娩後2週間で鼠径部の膨らみや痛みなどの症状は消失しました。平均11ヶ月の観察期間で鼠径ヘルニアと診断できた方はいませんでした。症状の出現は妊娠中どの時期にもありましたが多くは4から6ヶ月の間でした。左右はほぼ同数で3人は両側でした。初産よりも2回目以降の方がほとんどでした。
私の意見ですが、十分同意できる結果です。ドップラー超音波を行えばその場で診断できます。この18人には妊娠前に鼠径部に症状があった方は含まれません。ただし、そけいヘルニアが本当にないのかは確認されていません。以上より妊娠中に初めて生じたそけい部の膨らみや痛みは殆どはヘルニアではないと思われます。出産後に症状がなくなればますます濃厚です。またそけいヘルニアであっても腸がはまり込む嵌頓になったという報告はないそうです。過度な不安を持つことなく慌てないことです。
 

地方紙に記事が掲載されました 2010.07.09
  十勝毎日、釧路新聞、苫小牧民報、岩手日日、陸奥新報、琉球新報に私のそけいヘルニアの記事が掲載されました。
トップページのお知らせにリンクを設定してあります。
 

病院長になりました 2010.04.08
  H22年4月より上都賀総合病院の病院長に就任いたしました。外科以外の仕事が増えると思いますがヘルニアの診療と手術は必ず私が行います。どうぞよろしくお願いいたします。  

NHKきょうの健康大百科発売 2010.03.18
  本日3月18日NHK出版からきょうの健康大百科が発売されます。290ページに私のそけいヘルニアの項が掲載されています。書店で見かけたら手にとって見てください。また先日メディカルトリビューンの一般紙向け記者の方のインタビューを受けました。全国の契約している地方紙などに近日掲載されるそうです。  

アジアパシフィックヘルニア学会 2009.10.30
  2008年10月15-17日 インドネシア バリ島で開催されたアジアパシフィックヘルニア学会に行ってきました。私たちの発表テーマはメッシュ法術後の再発ヘルニアに対してもダイレクトクーゲル法が有効な治療方法であるといった趣旨でした。会場で感じたことはアジア諸国ではそけいヘルニアの治療は腹腔鏡法が主流であることでした。シンポジウムなどでも切開法の発表者は極めて少数でした。日本では手術機材だけでなく手術時間が長いことで医師などの人件費、手術室占有コストなどもあり腹腔鏡法が広く行われないとインドネシア人の座長の先生に話したところ、インドネシアでは現場ではコストのことは気にする必要がないとの返事でした。バリ島にある国立病院に見学に伺いました。総合診療科の部長先生が丁寧に案内してくださいました。この病院は日本からの援助で建設されたもので、大変役に立っているとのことでした。  

NHKきょうの健康に再登場 2009.08.27
  今回はテレビ出演ではありません。月刊の「NHKテレビテキストきょうの健康」10月号の記事を執筆しました。前立腺がん術後のそけいヘルニアについてです。9月中旬から書店に登場すると思います。是非手に取って見てください。それから同じくNHKから来年3月に「きょうの健康百科」を出版する企画がありそけいヘルニアの項の依頼がありました。私も楽しみにしています。  

地域医師会向け記事を書きました 2008.10.16
  ヘルニアについて
ヘルニアとは「病的な突出」を意味するため、脳ヘルニア、肺ヘルニア、腹腔からの各種消化管ヘルニア、椎間板ヘルニアなどさまざまに異なる疾患に使用される用語で患者さんの混乱の元にもなります。腹腔でのヘルニアは横隔膜、食道裂孔ヘルニア、腹壁、臍ヘルニア、鼡径、閉鎖孔ヘルニア、腹腔内で起こる内ヘルニア、その他の稀なヘルニアがあります。また漢方では直腸脱と鼡径ヘルニアは同源として扱われることがあるようです。ヘルニア(脱腸)は、外科の分野では研修医でもできる簡単な手術としてアッペ、ヘモ、ヘルニアと一括され、外科専門医の間でも軽視される傾向があります。しかし、鼡径部の膜解剖は大家の図譜においても微妙な違いが見られるほど微妙で、実践外科レベルでの局所解剖の理解は容易ではありません。
鼡径ヘルニアは、8割の外鼠径ヘルニア(間接)、2割の内鼡径ヘルニア(直接)、稀な大腿ヘルニアに分類され、閉鎖孔ヘルニアは鼡径ヘルニアに含めないのが一般的です。外鼠径ヘルニアは発生過程で精巣卵巣が下降したなごりの腹膜鞘状突起の開存または再開通によるため、人以外の哺乳動物でも認められます。一方、鼡径部は人類が直立二足歩行するようになり急激に進展された部位で構造的弱点となり直接(内鼡径)ヘルニアが発生する一因になっていることが想像されます。ヘルニア症例で組織コラーゲンが優位に低下しているとの文献があり、嚢胞腎でのヘルニア発生が知られており支持組織構成異常も関係すると考えられます。厚生労働省の医療統計データによれば腹壁ヘルニア、小児鼡径ヘルニアを含めて年間約16万件の手術が行われていると推定されます。しかし、約2倍の人口のアメリカでは年間80万件の成人鼡径ヘルニア手術が行われているとされ、いまだ未治療放置の潜在患者が多く存在することが想像されます。
鼡径ヘルニアの主な合併症は「嵌頓」です。正確に言うと非環納性非虚血性のincarcerationと非環納性虚血性のstrangulationがありますが、両者の術前の鑑別診断は容易ではありません。自験例での頻度は待機手術700例に対して13例の嵌頓手術(腸切除は1例)であり嵌頓の頻度は高くありませんが、死亡率ほぼ0%の待機手術に対して5-10%の死亡報告があり危険な病態と考えられます。その他にヘルニア嚢の中で虫垂炎を起こしているAmyand’s hernia、ヘルニア内容が子宮内膜症、癌播種、メッケル憩室などさまざまな報告があります。
鼡径ヘルニアは長く人類を煩わせてきた疾患で、外科手術の起源はプトレマイオス朝のファラオのミイラに認められる鼡径部瘢痕が鼡径ヘルニア手術であるとされています。また装具で抑えるさまざまな工夫も中世の文献に残っており現在のヘルニア帯、サポーターへと繋がっています。19世紀後半のBassiniの登場、前後して発展したエーテル麻酔法や皮膚消毒法とによりそれまで40%ともいわれていた手術死亡率を著しく改善し、外科手術で治癒可能な疾患となりました。自己組織を縫縮して鼡径部を補強するBassini法はその後さまざまな解釈や変法を生みながらも近年まで世界中で行われてきました。しかし、最近の欧米各国の国家医療データベースの詳細な分析でこの従来法手術後の再発率が15%にも及ぶという事実が明らかになってきました。こうした結果を受けて1980年代末よりメッシュを補強材料として埋め込む手術法が開発されてきました。従来法では組織を縫縮するため、術後一定期間の安静が必要で離床後も突っ張り感が残り社会復帰がやや遅れることがありました。新しい方法はメッシュを組織欠損部にパッチするためテンションフリー法の別称があり従来法の欠点を補い日帰り手術が可能となりました。また再発率も専門医で1%以下、非専門医で5%程度と低下しています。メッシュをヘルニア門に設置する到達ルートにより、従来法と同様に鼠径管を切開する前方アプローチ、Kugelによって開発された後方アプローチ、そして腹腔鏡法があります。またメッシュを設置する位置により、ヘルニア門の外側(onlay法 リヒテンシュタイン法、メッシュプラグ法など)、内側(inlay法 腹腔鏡法、Kugel法、Direct Kugel法など)およびコンビネーション(PHS法)などの違いがあります。
手術適応は、ほとんど生命に関わらない疾患ですので、本人の任意ということになります。実際、小児期より70年間放置していた方もいらっしゃいました。放置した場合長年月で少しずつ大きく垂れ下がります。女性では外鼠径輪から皮下まで出てくることは稀ですが、その場合では環納しにくくなります。男性では陰嚢にいたるといくらでも膨らみます。下着ズボンの習慣のない少数民族では地面に到達することもあります。日本人ではそこまでいくことはありませんが、大きな体積の消化管が常に脱出していると、腹腔容積が縮小し腹腔に消化管を戻すことができないコンパートメント症候群になります。いずれにしても、鼡径ヘルニアは自然治癒することはありませんので原則として手術をお勧めしています。術式選択は、小児では鼠径管、筋膜を全く損傷しないMitchel−Banks法で、成人男性は原則としてDirect Kugel法、35歳以下の女性はヘルニア嚢高位結紮、内鼡径輪縫縮のMarcy法、それ以上はDirect Kugel法で行っています。2005年2月より現在まで約700例のDirect Kugel法手術を行い、確認された再発は11例ですが、いずれも特殊な背景を持った症例であり、合併症のない症例での再発はありません。
手術合併症は、メッシュの感染膿瘍、術後慢性疼痛、精管閉塞、卵管卵巣損傷などです。幸にも現在まで重篤な感染、難渋する慢性疼痛には遭遇していません。精管は鼠径管内の脈管で直接切断しなくても瘢痕組織に巻き込まれる可能性はあります。したがって、生殖器の男性の両側症例、対側の手術既往のある症例で問題になります。現在は慎重に説明し手術を進めますが、精子の凍結保存なども検討課題になろうかと思われます。女性では、そのような心配はないものの内鼡径輪と卵管は1cm程度の距離しかないため、ヘルニア嚢処理に注意が必要です。
年間8万件の成人鼡径ヘルニアの手術が行われると仮定すると1%で800件、5%で4000件の再発ヘルニアが発生している計算になります。メッシュ法手術後の再発手術は、硬いメッシュを含む瘢痕に阻まれて容易ではありません。また再々発率も10%以上ともいわれています。手術には熟練が必要で、定石もありません。当院では、初発症例に行っているDirect Kugel法を再発にも適応しており、4月以降の6例全例で大きな合併症もなく修復することができました。
臨床外科医にとって、1枚1枚解き明かされる生体膜構造と病的変移を復帰させて理解できる正常解剖への興味は尽きることがありません。
 

遠来の患者さん(海外在留邦人) 2008.06.19
  海外在住の方から、お問合せや手術依頼が時々あります。これまでにドイツ、アメリカ、中国、香港、タイ、サウジアラビア、インドネシア、ニュージーランドにご滞在の邦人の方が一時帰国で手術を受けられました。海外でヘルニアを患われてお困りの方が多いことがわかりました。お仕事で忙しい方でも、最小限のご負担で治療を受けられるように便宜を図らせていただいております。診断がほぼ確実であれば、メールのみで手術日を予約することも可能です。手術予定2日前に帰国し、前日に診察検査を行い、手術、翌日退院。退院後数日で離日も可能です。お困りの方はご相談ください。  

NHKきょうの健康に出演します その2 2007.09.30
  9月26日に私の出演した「手術で治すそけいヘルニア」が放送されました。NHKの話によれば当日の視聴率は0.3%で単純計算で38万人の方に見ていただいたことになるのだそうです。すでに視聴者の方が何名か外来にご来院くださいました。また思いもかけない方から「テレビで見ましたよ」などとお声をかけていただきました。NHK放送センターでのこの上ない緊張下での収録で、また15分という限られた時間でしたので十分に説明できたとは申せませんが、病悩されている方に多少でもお役に立てれば幸です。番組内では、切開法が一般的であると説明しました。腹腔鏡法を否定しているわけではありません。日本全国どこででも確実に受けられる治療法を解説するとのNHKの方針です。腹腔鏡法も非常に優れた方法です。誤解のないように申し添えておきます。  

 
前の10件
|

 

病院紹介
上都賀総合病院で外科 病院長を担当しています。
直接お問合せ下さい。
上都賀総合病院
<電話受付> 月〜金 
8:30〜17:00

<電話受付> 第1,3,(5)土曜日 
8:30〜12:00

■■連絡・お問い合わせ先■■
〒322-8550 
栃木県鹿沼市下田町1-1033
JAかみつが厚生連
上都賀総合病院
<TEL>0289-64-2161
<FAX> 0289-63-6076
<e-mail>
Copyright©2004 Hernia Center All rights reserved.